ここで「議員はこんなことも知らないのか」とおっしゃる方々は全員、小中学校の道徳の学習指導要領がどうなっているかをご存じないということを意味する。ここでは中学校のものを挙げる:日本国憲法に定められた人権は、人が生まれながらに持つ権利であって、義務と引き換えとか、義務を果たした対価として享受するものではない。同時履行とか引き換え給付になるのは売買などの民間の対価性のある契約。基本的人権に対価性はない。自民党にはそれが分からない議員が沢山いるのか。
— 渡辺輝人 (@nabeteru1Q78) July 26, 2018
4 主として集団や社会とのかかわりに関すること。ここにはその対価性は明示的というほどではないが反映されているし、運用の上ではもっと明白に、とっくの昔から行われていたことである。たとえば道徳教育の実践報告を見よ。また、来年度の道徳教科書についても同様の問題が24日付の神奈川新聞によって指摘されている。
(2)法の精神を理解し、自他の権利を重んじ義務を確実に履行するとともに、公徳心をもって社会の秩序と規律を高めていくように努める。(平成元年(1989年)改訂)
(1) 法やきまりの意義を理解し,遵(じゅん)守するとともに,自他の権利を重んじ義務を確実に果たして,社会の秩序と規律を高めるように努める。(平成20年(2008年)改訂)
法学部卒でもなければそのような義務教育のあいだに習ったような素朴な話を内面化しつづけてることなんて明らかだろうし、そうでなくてもこれはもともと「大日本帝国を取り戻す」類いのカルト教団にとっての教義なので、大人になってからみずから主体的に獲得することもできるわけです。彼女がどっちの経路で獲得したのかは知らんが、それ自体はどっちでもよく、法学的に明らかな誤りだろうが教義なんだから獲得して布教するしかないわけです。
で、こういう馬鹿げたものを書いたのは文科省のえらい人なわけでしょう。東大法学部卒(か知らんが)のキャリア官僚が組織的にこれを真顔で書いているという想像力が最低限あるだけで、2018年にもなって「自民党の議員は憲法を理解していない」などと言うのは少くとも30年遅いことがわかるわけです。敵は本能寺にあります。カルト教団はとっくに行政府を根城にしています。本邦の弁護士はこんな低能と遊んでるだけでなく、もっとしっかりしてくれよと思う。お前らに本邦のブルジョア市民革命が担えるつもりでいるのか?ということは口を酸っぱくして言っておきたい。
以下、おまけ。
基本的人権とは何かをまるでわかっていない発言。 https://t.co/LvIpCU0sVP
— サビヲ(ブラ弁くん) (@burabenhp) July 26, 2018
「義務を果たしていれば権利を主張して良い」って、憲法わかってなさすぎる。 https://t.co/b9NUQh8zJr
— 弁護士 亀石倫子 (@MichikoKameishi) July 26, 2018
この認識、さすがに勉強不足にもほどがあるというか、常識がないというか。。。 https://t.co/FNWqkHasy0
— ささきりょう (@ssk_ryo) July 26, 2018
すごい。謝る形式をとりつつも、実際は批判する人たちを脊髄反射とdisりつつ、結局自分の発言の問題性がどこにあるかの理解はとんとできていないという…。何重にもヒドイ。けど自民党らしいっちゃらしい。 https://t.co/sNOR2ayXI6
— 弁護士南川麻由子 (@lawyerMAYUZO) July 26, 2018
多くの法曹クラスタの方々がすでに指摘してるけれど、憲法上の「権利と義務」はトレード関係にあるものではないのだよね。寛容さへの態度表明が、知識の誤りも含めて、その不寛容さを強調するという、皮肉だけど典型的な例だと思うんだ。 https://t.co/Rn0qkKvwLH
— 荻上チキ (@torakare) July 26, 2018
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