新型コロナウイルスの検査は重症者のみという行政の方針は医学的にはまったく正しい。PCRの感度特異度は高くなく、これをローリスクの対象者に行えば大混乱となります。しかしこのことは一般のひとの直感に反するためなかなか理解されません。検査は不安をなくするために行われるものではないのです。
— 室月淳Jun Murotsuki@集英社新書「出生前診断の現場から」 (@junmurot) February 23, 2020
仮にこのPCR検査の感度を90%,特異度を90%とします(よく知りませんが,実際はさらに低いかも).しかし検査をうける本人にとって真に重要なのは感度や特異度ではなく,検査陽性のとき実際に感染している割合(陽性的中率),または陰性のときほんとうに感染していない割合(陰性的中率)なはずです
— 室月淳Jun Murotsuki@集英社新書「出生前診断の現場から」 (@junmurot) February 24, 2020
逆に近所に患者がいたとか,風邪症状があって心配だというひとが検査を受けるとき,仮にその感染リスクを2%程度とします.そうすると,検査陰性のときに非罹患は99.8%ときわめて高いのですが,検査陽性のときに真に感染しているのはわずかに15%程度にすぎません.85%は偽陽性者ということになります. pic.twitter.com/sdxUtJbmDY
— 室月淳Jun Murotsuki@集英社新書「出生前診断の現場から」 (@junmurot) February 24, 2020
検査をなるべく多くするということがいかに無意味かおわかりになるでしょう.1日1万件以上の検査など狂気の沙汰で,偽陽性が毎日何百人もでてきて,その多くのひとたちが殺到して医療機関をパンクさせます.健康人を14日間も拘束隔離したり,レッテルを貼って差別したりする重大な人権侵害を招きます.
— 室月淳Jun Murotsuki@集英社新書「出生前診断の現場から」 (@junmurot) February 24, 2020
どうやら今日の時点で間違いに気づいたらしい。今気づいたとあってはどうやら意図的な嘘ではなかったのかもしれないが結果として嘘つきだったと言う事実は変わらないし、いずれにせよ事態はもはや手遅れである。こんな能力の低い人間がいたとはな。何度でもくりかえしますが、無症状のひとにPCR検査をおこなってはいけません。事前確率の低いひとをスクリーニングすると、弊害のほうが大きくなります。事前確率と偽陽性、偽陰性については何回か説明しましたので、もう一度読んで考えてみてください。ワイドショーの情報をうのみにしないでください
— 室月淳Jun Murotsuki@集英社新書「出生前診断の現場から」 (@junmurot) April 26, 2020
あるかたとのやりとりで気づいたのですが,感度特異度が100%でないとか偽陽性偽陰性があることは検査の欠陥ではないのです.医学的にネガティブな意味はありません.PCRは検査としてすぐれていて,ほかにくらべると正確さが高い.ただしやや低い感度や偽陽性偽陰性には注意して判断しなければならない
— 室月淳Jun Murotsuki@集英社新書「出生前診断の現場から」 (@junmurot) January 2, 2021
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