2020年5月5日火曜日

映画『太陽の蓋』見た

菅直人じきじきの宣伝なのでおっとこれは『フクシマ50』の逆プロパガンダなのかと思って身構えながら見たが、意外と良かった。菅直人が偉かったのではなく、為す術がない中でとりあえずできることだけやりましたみたいな話になっているのでまあ及第点なんだろうか。事故の翌日現地へヘリで見にいったことと、原子炉が爆発してから東電本店に乗り込んだことの功罪については正直だと思う。細かい点は忘れたが大鹿靖明『メルトダウン』以上に新しい話はたぶんない。1日目夜の時点でもうすっかり溶けていたとかそういうことは後になってわかる話なので説明をつけといてもよかったと思う。2015年時点であれば分かっていたはずである。

しかし製作陣がビビりすぎで政治家は実名なのにそれ以外の固有名詞が微妙に違う。原子力安全委員会の班目は万城目だし官邸詰の東電フェロー武黒は名前が出てこないエキストラレベルなのが腹立たしい。原子力安全委員会は公職なので実名を避けるという判断はあり得ない。海水注入を中止するよう福島第一に電話したのは誰かという質問に対してそこに登場する人間の名前を言わないのがおかしすぎる。ビビりすぎである。本邦映画界にできる精一杯の良心はこの程度ってこった。だいたい主人公が官邸記者クラブ所属の全国紙記者っていうのもな。「この後こいつらは首相と飯を食って腐敗していったので日本は沈没することになる」というキャプションが必要な奴らですからね。

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