2018年5月31日木曜日

クローズアップ現代+と竹中平蔵が今夜犯した罪について

本日のクローズアップ現代+「議論白熱! 働き方改革法案~最大の焦点“高プロ制度”の行方~」が犯した罪はおそらく報道の歴史上で最悪の部類に入るだろう。単に賛成派は見事に使用者ばかりを揃えたということではなく、 高度プロフェッショナル制度に理論的に賛成できる専門家は存在しない、さらにはこの制度に賛成しているのは使用者ばかりという事実を確信犯的に隠蔽した罪である。この事実を隠蔽したのは当然番組ディレクター以下スタッフであり、したがって武田真一アナウンサーがこれを隠蔽したのであり、また鎌倉千秋アナウンサーがこれを隠蔽したのである。アナウンサーはガキの使いなんで許してくださいという言い訳はもはや通用しない。アイヒマンはお前である。または、殺人タックルをおこなった日大アメフト部員はこのクローズアップ現代+にもいたということになる。

この番組に登場する賛成派のゲスト2人はパソナ会長の竹中平蔵氏とクラウドワークス社長の吉田浩一郎氏なる人物であり、見たとおり使用者ばかりである(2018/6/1追記: 「取締役会長」は役員である)。NHKの罪はそれを登場させたということ自体よりは、より深刻なのが「公正な議論であるかのように演出した」という罪を犯したことにある。なぜ竹中平蔵がわざわざ「パソナ会長」の肩書を隠し、"使用者"の看板を隠したのか?ということの理由を考えてみよう。使用者であれば使用者の利益になる発言をするのが当然である。であれば発言者の素性を明らかにするというのが議論の場を提供する番組が整備すべきなのは当然で、それができた上ではじめて、番組を見た者が賛成派と反対派の議論を適切に評価できる。したがって、これができなければ報道とは言えない。なお、この法案が使用者にのみ利点があることを上西氏は番組内で指摘している。賛成派(というか竹中)はこの法案が日本経済にとって益となるという曖昧な言葉でごまかしてはいるが、使用者にとって利点がある点を否定してはいなかった。

ここで視聴者が議論を評価するために必要だが欠けていた情報が「賛成派ゲストは使用者ばかり」という事実であった。仮に試聴者がそれを知っていれば、適切に賛成側の理論を完全に根拠なきものとしてより簡単に葬り去ることができたし、この法案が"賛成はできないが自分には関係ないので単に無視すればよいだけのもの"なのか、それとも"より積極的に反対すべき危険なもの"なのかの評価が可能になっただろう。上西氏や棗氏といった反対派の議論に比べれば、賛成派のそれは穴だらけの非理性的な議論だったからであるが、杜撰な議論の理由が単に論者が間抜けだからなのか、それとも悪意によるものなのかはこの情報がなければ判別はしにくい。しかしその属性を明らかにしないどころか積極的に隠したことで結局、竹中の悪意は確定的に推認できるものとなった。

繰り返すが、「賛成派は使用者ばかり」という事実は、視聴者が議論を評価するために必要であったがNHKないし番組の不作為によって欠けていた。問題は、番組は竹中がこれを隠すのに協力したのか?または番組は主体的にこれを悪意によって隠したのか?である。仮に、使用者の属性を隠すのが本人だけの意志であるなら番組は出演を断ればよい。事実はそうではないので、この隠蔽は番組の主体的な意志によるものだったというのが論理的帰結になる。実際番組がこの意図をもって議論を演出した形跡は上西氏のツイートにしっかり証拠が残っている:
ここで発言する「わかりました」とは誰のものだったのかは知らんが、すくなくともNHKの誰か(または番組製作スタッフ)であることは間違いない。そしてその上で彼らは竹中の素性隠しを主体的に行ったわけである、そうすることで、竹中の議論を「東洋大学教授」という"専門家の立場"から"利害を離れて第三者として法案を評価している"と視聴者に錯誤させる効果を狙って。 したがって、

クローズアップ現代+は嘘つきである

竹中平蔵は嘘つきである

という事実を周知させるべきなんではないか、竹中については小泉のときからの前科があるので周知であるような気もするが。いずれにせよ彼らが嘘つきであるというのは公共性のある話題であり、しかも真実性は上に述べた通り明らかである。もはやこんな悪意のある「報道」をおこなう集団に「公共放送」を名乗る電波を担わせていたら本邦が狂気に汚染されてしまう。いわば、言論の自由市場から良貨を駆逐する悪貨とは、まさに、こういう嘘をも指すのであります。このような悪貨を取り除くというのは公益性のある話なわけです。

最後に佐々木弁護士の発言を貼っておく。もちろん竹中が嘘つきだとしても、それを登板させたのはクローズアップ現代+であることを銘記しておきたい。

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