背景
ご存じヘイト雑誌と化して2年経つ『新潮45』とそのヘイトスピーチ記事とそのヘイトスピーチ擁護特集の二本が最近話題であるという話。編集部はどんな気持ちでこの企画を立てたんだろう。あなたたちが売り上げと天秤にかけて放り投げたのは、人の命だよ。マジョリティがニヤニヤしながら言葉遊びしてるうちに、マイノリティは死ぬ。
— 竹下郁子 (@i_tkst) September 16, 2018
杉田水脈氏への批判は「見当外れ」 新潮45が掲載へ:朝日新聞デジタル https://t.co/sTZBp7MtjS
新潮45を読んだ。内容が違うので一概にはまとめられないが「LGBTは子ども作らないから生産性がない=優先順位をつけられて当然だ」「生産性という言葉だけ取り上げて叩きすぎ」という擁護。知識も正確ではなく偏見も多い、一部はただのヘイト、めちゃくちゃ。 pic.twitter.com/s8oVgGAgf3
— 松岡宗嗣 (@ssimtok) September 18, 2018
まあ俺自身も思ってたことはあるんだけどね。早い話が表現の自由を「表現を享受する自由」というふうに理解していたという黒歴史が最近まで。まあでもそれはおそらく2013年ぐらいまでに消えたと思いたい、というのはヘイトスピーチを見たからだと思っている。厳密にはそうではなくて2013年以後もしばらくそういう杜撰な理解をしていた期間はあるのですが、まあ愚かだったなと。それはともかくですね、匿名の俺よりも実名の狂信者をどうにかすべきなんじゃないのという意味で記録しておくのが以下の揶揄であります。『新潮45』、小川榮太郎氏の寄稿の一部。慄然とする。
— 武田砂鉄 (@takedasatetsu) September 18, 2018
「満員電車に乗った時に女の匂いを嗅いだら手が自動的に動いてしまう、そういう痴漢症候群の男の困苦こそ極めて根深ろう。再犯を重ねるのはそれが制御不可能な脳由来の症状だという事を意味する。彼らの触る権利を社会は保障すべきでないのか」 pic.twitter.com/rJqmyYRvop
こういったヘイトスピーチを黙らせろという話に対して本邦が到達した理論的水準の最高峰がこちら。 このラジ男やらキクマコは「私が間違ってました」と認めるまでは死ぬべきではないのではないか(真顔)。まあこういう人らだって何らかの専門家ではあるとしても、法学の専門家ではないしましてや人権思想だかの専門家でもない素人による戯言であった、というのが事実レベルでの結論ですわね。まあ法学等の専門家でなければ言ってはいけないとも思わないが、人種差別撤廃委員会とかの審査を聞いてると「それは言論の自由ではない」という国際的な(おそらく)常識が本邦では通用していない様子なので、やはりこういうのは素人の分際で公共空間で賢しらに言葉遊びされるのは単純に迷惑ですよね。結局のところ、複素数もわかんねえような素人による「原発を動かしてれば北海道全域停電は防げた論」みたいなのを公共空間で吐かれると単純に迷惑だ、という(社虫太郎氏だったかの)話と同型でしかないので某プライベートモードの「おとうさん」アカウントよりは余程罪深そうである。以下、発言のサンプルを置いておく(他にもいるはずだがとりあえずこの二名):
「悪い言論」を取り締まるのだって「言論の自由の侵害」なのは確かラジよね。議論すべきなのは「言論の自由の侵害かどうか」ではなくて「どのような時に言論の自由が制限されうるか」だと思うラジ。「悪い言論」には言論の自由はないとか悪い言論はもともと「言論」とはいえないとかいう考えには反対。
— PsycheRadio (@marxindo) June 3, 2017
「言論の自由は絶対的で無制限なものだ」と思っちゃうから、自由にさせておけない言論には「こんなの言論ではない」と言い出すんだけど、それはおかしいし法律の考え方にも合わないですよ、という話。もともと自由や人権が制限しうることは日本国憲法にも書いてありますラジ。
— PsycheRadio (@marxindo) June 3, 2017
「悪い言論であっても言論の自由はある」という(昔ならどちらかというと左翼やリベラルが主張したであろう)ことを言うのは「ヘイトスピーチする人」「差別する人」だけになってしまった。このことの深刻さ。
— PsycheRadio (@marxindo) September 23, 2016
「差別者に利用されるからやめろ」というのはとんでもない暴論で、非難するならその「差別者」を非難するのが筋。そういう筋違いの暴論を言う「言論人」がいることがわかったのは収穫だけどね。要は言論の自由を殺したいわけだね
— kikumaco(10/29ベアーズ) (@kikumaco) April 6, 2018
民主主義を守りたかったら、自分と意見が違う陣営の言論の自由も守らなくちゃならない。誰であれ、どの陣営であれ
— kikumaco(10/29ベアーズ) (@kikumaco) July 2, 2017
自分の言論の自由を守るためには他者の言論の自由も守らなくてはならないわけですよ。それがどれほど自分の考えと違う言論であるとしても。言論の内容に異議があるなら批判しなさいということですよね。守らなくてもいい言論があるかのような振る舞いは結局は自分たちの首をしめることになるんで
— kikumaco(10/29ベアーズ) (@kikumaco) June 21, 2017
誰の講演会であれ、理不尽な理由で中止に追い込まれたのなら、「それはまずい」と考えなくてはならない。「あの中止はよい中止、この中止は悪い中止」とダブルスタンダードを使い分けるのでは「共産圏の核兵器はよい核兵器」と言っていた時代の左翼と変わらない。言論の自由とはそういうものだからね
— kikumaco(10/29ベアーズ) (@kikumaco) June 21, 2017
ラジ男は一元的内在制約説のことを言っているらしいが、その仕組みがヘイトスピーチは言論の自由に含まれないという話と競合するというお説らしい。しかしヘイトスピーチが言論の自由に含まれないのは by definition なんでそこまで頑張る必要がというのは思いますわね。まあ知らんけど。
メモ:表現の自由戦士
にもかかわらず今回のヘイトスピーチ擁護特集について言論の自由である、伝ヴォルテール発言に従って擁護する人が少ないのはなぜかという問題意識があるわけだ。表現の自由戦士は立ち上がって新潮45への批判は言論弾圧だっていうのかな。
— ねずみ王様 (@yeuxqui) September 18, 2018
熟慮の末、新潮社の新刊については当面仕入れを見合わせる事にしました。『新潮45』について、出版部文芸を始め社内でも忸怩たる思いを抱えている人たちがいるのは承知していますし、当店が販売を止めても何のダメージにもなりませんが、そう決断する本屋がいくつかはあっても良いだろうと思います。
— 谷中・ひるねこBOOKS (@hirunekobooks) September 19, 2018
いつもの言論弾圧だという声が少なすぎる。いかがしたことか。
— ねずみ王様 (@yeuxqui) September 19, 2018
いや〜、そのうち全体主義の批判をしていたはずの人が、全体主義でなければ日本を救うことができないといいだすしかないだろうとは予測はしていたが!
— ねずみ王様 (@yeuxqui) September 19, 2018
あれ? キクマコのなかのひとは、意見には反対するが、あなたの意見の表明を妨げる圧政にはともに戦おうみたいなことわりと好んで言ってなかったっけ?
— ねずみ王様 (@yeuxqui) September 19, 2018
伝ヴォルテールみたいなアレ。
— ねずみ王様 (@yeuxqui) September 19, 2018
今こそチャンスじゃないですか!
— ねずみ王様 (@yeuxqui) September 19, 2018
しかし新潮45を言論の自由から擁護する立論読みたいんだけど。あるいはあれは言論の自由に含まれないという逆の方でもいいんだけど。
— ねずみ王様 (@yeuxqui) September 20, 2018
それよりも執筆拒否や購読拒否宣言、批判者の応援が表現の自由の侵害であると主張する人が少なすぎる。
— ねずみ王様 (@yeuxqui) September 21, 2018
「嘘と卑怯を厭わない言葉は、わかりやすい暴力の顔はしていないのだ。それは半笑いで、おふざけっぽく、そのくせ「色んな意見が大切、議論しましょうよ、言葉狩りせずに、きちんと理解してくださいよ」とどや顔で卑怯ながらも堂々としている。」
— ねずみ王様 (@yeuxqui) September 21, 2018
https://t.co/7GbbPW1Jw9
何故発表者が官憲に罰せられたり拘束されたりするでもない民間の抗議を「言論弾圧」と呼ぶ人がこの国には多いのか
— 有村悠@9/23砲雷撃戦・H-02 (@lp_announce) September 21, 2018
新潮社の本を棚から撤去 和歌山の書店、新潮45に抗議:朝日新聞デジタル https://t.co/rIM5oJ5CEI
おー、やっぱりいるんですね。しかし少ねー。
— ねずみ王様 (@yeuxqui) September 21, 2018
痴漢の権利か、なんかずいぶん前に似たようなことを書いたけれど、ほんとうに言い始めたな。殺す権利、虐待する権利もそのうち出てくるな。
— ねずみ王様 (@yeuxqui) September 24, 2018
劣等種族を抹消する権利とかな。
— ねずみ王様 (@yeuxqui) September 24, 2018
しかし気がつくと賢い人はもう何にも言わなくなっている。
— ねずみ王様 (@yeuxqui) September 24, 2018
ヴォルテールそんなこと言ってない。 #ヴォルテール野郎 https://t.co/OGz2RH4Kws
— 野間易通 (@kdxn) September 22, 2018
お、やっとヴォルテールの登場を目にしたけど、こいつらじゃない。
— ねずみ王様 (@yeuxqui) September 22, 2018
だんまりなのは誰か。とりあえずキクマコとラジ男はそのようである。なるほどこれが「賢い人はもう何にも言わなくなっている」というやつか。しかし言論の自由に関わることであるのに、主張したりしなかったり意味が分からないぞ。
— ねずみ王様 (@yeuxqui) September 22, 2018
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