2018年9月19日水曜日

イギリス映画『未来を花束にして(Suffragette)』(2015)

まあしかし公安警察がいかにも公安警察なので受ける。見逃してやるかわりに転向してスパイになれと迫ってきたり、みなさんどうにかがんばってください感が半端ない。主人公モードに対して「お前は所詮使い捨ての歩兵にすぎない」と公安が賢しらぶると、てめえだって歩兵じゃねえかと返してぐうの音も出ない(かどうかは知らないが)公安警察にまじ受けた。

こういう警察が棍棒使ってためらわず弾圧する様子とか転向を迫るシーンとかいうのを表現できるかどうかというところは、やはりその国が(というより作り手が)民主化というか近代化できたかできなかったかというバロメータ感ありますね。権力の行使について批判的になれるかどうかって作り手の視線の高さを表すわけですから。翻って、本邦にこういう映画または表現を部分的に持つ映画というのはあるだろうかと考えるとまあ知らんのですがなさそうですという点で本邦の映画はほぼどれもこれからも糞なんじゃないですかね。こういう部分を評価するという視点があってもいいものです、この部分が作品の出来にどれだけ寄与するかは俺は知らんが。

というわけでこの話は韓国映画の『サニー 永遠の仲間たち』と共通する良さを持つ。で、本邦での『サニー』リメイクが見る前からおそらく糞であると俺が確信しているのも同じ事情による。まあ実際本邦の多くの映画作家には無理だと思います。でもまあひとつだけ、NHKドラマ『ワンダーウォール』にはちょっと期待していたのだが見逃した。

しかし主人公モード役の女優さん Carey Mulligan は『プライドと偏見』(2005)にも出ていたとは気づかなんだ。当時はあんまり美人でない設定の役だったような気もするが。

0 件のコメント:

コメントを投稿