2018年8月26日日曜日

ETV特集『隠されたトラウマ~精神障害兵士8000人の記録~』(2018)

TVドキュメンタリー『ETV特集: 隠されたトラウマ~精神障害兵士8000人の記録~(データで読み解く戦争の時代 第2回)』(NHK教育, 2018) 放送日: 2018年8月25日(土) 午後11時10分(60分)
を見た。とはいえ、何がよかったとかどこに注目すべきだったのかは素人なのでまったくわからん。終戦時に陸軍からカルテを焼却せよという命令に国府台陸軍病院の医師たちが背いてカルテを持ち出したおかげて8002人分のカルテが残っていると。国府台陸軍病院の医師の子孫が経営するどこかの私立の精神科医院の倉庫に保存されているという現状が何よりこの国は常に公文書を焼却/廃棄する国だという事実を雄弁に物語っている。

他には、河北省の治安作戦で精神障害になったという話と初年兵の教育時になされた私的制裁で発病したという話、 知的障害の人がなぜか戦地に送られ(て発病して国府台に送られてき)た上に恩給不要の扱いにされたというでたらめな話、今年になってまだ入院している人・入院なしで治療している人があわせて6人いるという話は衝撃大きすぎた。 本邦の人らがこの程度のドキュメンタリーでも見る人たちであればこの国はもっとよくなってたんですかね。知らんけど。

このドキュメンタリーの主題は精神障害として国府台陸軍病院で治療を受けた人の話だったので、中国の治安戦で民間人を殺害したような話は出てくるもののそれは主題じゃないところが撫順戦犯管理所で「認罪」した人の話を追うような野田正彰『戦争と罪責』とは違うところだなという理解をしている。いずれにせよ、ネトウヨとかの歴史修正主義者はハッスルするだろうな。

ニューギニアには兵力20万人投入されて18万人が戦死・病死・餓死し結局国府台に送還された精神障害兵士は52人、みたいな話が音声でさらっと流されるだけなので、ぜひ死因別とか日本軍兵士だけでなく現地民間人を含めた被害者数(敵味方区別なく)を数えたものを全ての地域について「データで読み解く戦争の時代」第3回としてやってほしい。これは最後の砦の一つであるETV特集に課せられた義務だと思ってほしい(まあ無理かもしれんけど)。まあ既にやってたらすいません。

この番組で知った清水寛、中村江理(他にもいたが忘れた)といった専門家の人の仕事を読んでみたくある、とは思うのだが俺には無理かもしれんな。能力も金もなくなってきた。

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